ハマユウ

 
 久しぶりの休暇で帰省しています。夏の楽しみのひとつは、ハマユウの花を見に行くこと。今朝は孫の手を引きながら、三浦半島の佐島マリーナに隣接する「天神島臨海自然教育園」に行きました。
 ハマユウは7〜9月が最盛期で、オモトに似ているのでハマオモトとも呼ばれます。年間の平均気温が15℃の等温線の南側に分布し、三浦半島のここが北限。半島で唯一自生するここのハマユウは、神奈川県の天然記念物として保護されています。園に入ると、ぷーんと甘い匂いが香ってきました。太い茎の先に繊細な白い花弁が何者を寄せ付けないように気高く咲いていました。大きなクロアゲハがその香りに誘われて花の周りをとんでいました。初老の女性がキャンバスに花を写してそれがまた、絵になるというのが、いいものだと思います。
 ハマユウはもともとは、南の花、アフリカが原産とも聞きます。椰子のみのように黒潮にのって海を渡ってきたのでしょう。
 北海道に転居したばかりのころ、自分の境遇をハマユウの花にたとえ、年間の平均15度の環境で育った自分が生きていけるかと書いたことがありますが、なんのなんの、かの時からすでに13年目の夏を迎え未だ健在です。観察指導員の方にそんな話をしたら、「地球温暖化だからねえ。ハマユウも北海道で育つかもしれないね」ですって。お供の3歳の孫に「ハマユウ」を覚えさせて。どこまで記憶に残るかはわからないけれど・・